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annの「元気だしていきましょ」

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無理せず自分に正直に。   なりたい自分になる!

祝 合格

次男の高校入試の発表の日だった。
外は雪。
発表時刻に間に合うように早目に家を出た。
私ひとりで見にいくこともできたし、
その方が簡単だったけど、次男も一緒に連れていくことにした。
結果がよくても悪くても、
次男のこれからの為にはその方がいいと思ったから。

次男は車の後部座席でしょんぼりしていた。
「・・・神様に祈ってな(笑)」
冗談で言ったのに、
次男は学校に着くまでの間、ホントにずっと祈っていた。

学校には一番乗りで到着した。
「・・・緊張して倒れそう」
次男が泣きそうな顔でいった。
「落ちたら泣くよ」
とも。
「・・・どうぞ」
と私。
「・・・そんなに、K学校に行きたい?」
と次男に聞いてみた。
「行きたいさ。だって雰囲気がすごくいいし、先生方もあったかいし、いい学校だもの」
次男が言った。

発表予定時刻の10分前、
そろそろ何人かの学生や保護者が集まりだした頃、
玄関で先生が張り紙をしはじめた。
「・・・発表になるみたいよ」
私がいうと、次男は車から飛び出していった。
でも、目が悪い次男には細かい番号は見えにくて
次男は私に「どう?」と聞いた。
「!」
私からは張り出された紙の真ん中あたりに
次男の番号が見えたけど
「・・・自分で見なよ!」
といった。
次男は背伸びをして、紙に鼻をこすりつけるようにして
ひとつひとつ番号を見ている。
突然
「あった!」
と次男が叫んで、私に抱きついてきた。
もうすこしで、押されて階段からおっこちるところだった。


併願に受けるつもりにしていたS高校に
視力障害を理由に申込直前で受験を断られた時は
正直どうしようと思った。
他の私立高校も受け入れてくれるという保証はない。
滑り止めなしに公立一本勝負はリスクが大きいし、中学の先生からは
「公立高校も受かるとは限らないし、障害を理解してくれるとは限らない」
と言われた。
先生もすごく困ったんだと思う。
あの日、次男は
「・・・目が悪いってだけで、なぜこんな思いをしなくちゃならないんだろ?」
と言って少し泣いた。
その日から次男の頑張りは本当に凄かった。
次男が今度お世話になることになった学校は、次男の障害のことは
「なんら問題ありませんから、心配しないで」
と言ってくれた。
「試験は普通に頑張らないとダメだよ」
とは言われたけど。
あの悔しさがあったから、この学校に出会えた。
この学校に出会う為にあの悔しい思いがあったんだ。

今日、先日の模試の結果が返送されてきた。
元々希望していた公立も、その1ランク上の公立も「安全圏内」になっていた。
親の私としては、冷静に考えると、少し複雑な気持ち。
障害があることで、最後の最後まで精一杯のチャレンジが許されないなんてなあ。
次男が自分で望んで選んだ高校での生活が、
かけがえのない時間になることを祈るばかりだ。

・・・それにしても。
福祉系の学校を標榜し、福祉教育に力を入れているといいながら
次男に会いもせずに、障害を理由に門前払いをしたS学園高等学校。
「そんなもんさ」と冷ややかな気持ちになる反面、思い出すと憤りを感じるのも確か。
「看板に偽りあり」と新聞に投書したいくらいだ。
・・・そうやってあなた方は「メッキの世界」でやっていけばいい。
私の生き方とは違うし、私が息子達にさせたい生き方とも違う。
それがわかっただけで、貴重な勉強になったというにしよう。
by an_angels_egg | 2009-01-16 21:57 | ひとりごと

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